🔍 診断・特性の理解 5歳児健診で引っかかったその後は?診断ではない理由と就学までの流れ
この記事の目次
5歳児健診で「発達について相談を」と言われると、頭が真っ白になってしまう保護者の方は少なくありません。まずお伝えしたいのは、健診で引っかかることは「診断」ではないということです。あくまで「専門家と一緒に子どもの発達を見ていきましょう」という入り口にすぎません。この記事では、5歳児健診で引っかかった後の一般的な流れ、発達外来の待機が長い場合にできること、就学までの逆算スケジュールを解説します。
5歳児健診で引っかかった=診断ではない
💡 ポイント
健診での指摘は「スクリーニング(ふるい分け)」であり、発達障害の診断とはまったく別のものです。「引っかかった」とよく言われますが、実際には「もう少し詳しく見てみましょう」という段階にすぎません。
健診は、支援が必要かもしれない子どもを早めに見つけて、必要なサポートにつなぐための仕組みです。この時点で自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの診断がつくわけではありません。
また、健診で何も指摘されないまま就学後に困りごとが見つかるケースもあります。年中〜年長の時期に専門家の目が入ることは、就学前に準備の時間を確保できるという意味で、むしろ前向きに捉えられる機会とされています。
5歳児健診とはどんな健診?2026年度から全国展開
5歳児健診は、3歳児健診から就学時健診までの空白期間を埋める健診として、国が全国の市町村での実施を進めているものです。
こども家庭庁によると、5歳児健診は市町村が実施主体で、国庫補助の対象になっています。国は「出産後から就学前までの切れ目のない健診」の実現を目指しています。3歳児健診では気づかれにくい、集団生活の中でのコミュニケーションや行動の特性が見えやすくなる時期に行われるのが特徴です。
実施方法(集団健診か個別健診か、対象を年中とするか年長とするか)は自治体により異なります。お住まいの市町村の案内を確認してください。
引っかかった後の一般的な流れ
指摘後の流れは自治体によって差がありますが、おおむね次のステップで進みます。
大切なのは、すべての子が3や4まで進むわけではないことです。発達相談の結果「園での見守りで十分」となる場合もあれば、療育につながる場合もあります。どの段階でも、進めるかどうかを決めるのは保護者です。

なお、児童発達支援などの療育サービスは、診断がなくても通所受給者証があれば利用できる場合があります。詳しくは受給者証と療育手帳の違いの記事で解説しています。
発達外来の待機が長いときに、待つ間できること
発達外来は初診まで数か月〜半年以上かかる地域も珍しくありません。しかし、受診を待つ間にできることは多くあります。
✅ 受診を待つ間にできること
- 予約だけ先に入れておく——キャンセル待ち登録ができる医療機関も。迷っているなら、まず予約を確保してから考えるのが現実的
- 保健センターの発達相談を並行して使う——心理士による発達検査や助言は、自治体の相談で受けられる場合がある
- 園と情報共有する——担任に集団での様子を聞き、家庭での気になる行動をメモしておくと、受診時に医師へ伝える材料になる
- 受給者証の申請を検討する——自治体によっては、医師の意見書等があれば診断を待たずに療育を開始できる場合がある
- 親の会・支援センターにつながる——各都道府県等の発達障害者支援センターは家族からの相談も受付(発達障害情報・支援センターのサイトから検索可能)
また、この時期は保護者自身の心も揺れやすいものです。お子さんの特性は親の育て方のせいではありません。しんどさを感じたら、育児疲れとの向き合い方も参考にしてください。
就学までの逆算スケジュール
年中で指摘された場合と年長で指摘された場合では、動き方が変わります。文部科学省の定める就学先決定の流れでは、市町村教育委員会が例年秋〜冬に就学先を決定するため、そこから逆算して動くのがポイントです。
| 時期 | やること(目安) |
|---|---|
| 年中の秋〜冬 | 発達相談・受診の予約。療育の情報収集 |
| 年長の4〜6月 | 就学相談の申し込み(受付開始は自治体により異なる) |
| 年長の夏 | 就学相談の面談・行動観察。学校見学・体験 |
| 年長の10〜11月 | 就学時健康診断。就学先の意向のすり合わせ |
| 年長の1月末まで | 就学先の決定・通知(特別支援学校の場合も1月31日までに通知) |
就学相談では、通常学級・通級指導・特別支援学級・特別支援学校といった選択肢を、本人・保護者の意見を尊重しながら教育委員会と一緒に検討します。当日の服装や持ち物など実務的な準備は就学相談の服装・持ち物ガイドにまとめています。
発達検査(WISCなど)を受けた場合は、結果の数値だけで一喜一憂せず、得意・不得意のプロフィールとして読むことが大切です。読み方はWISC結果の見方で解説しています。
まとめ
- 5歳児健診で引っかかることは診断ではなく、「詳しく見てみましょう」という入り口
- 一般的な流れは「保健センターのフォロー→発達相談→必要なら発達外来→支援の利用」で、どこまで進むかは保護者が決められる
- 発達外来の待機中も、予約確保・自治体の発達相談・園との情報共有・受給者証の検討など、できることは多い
- 就学先は年長の1月末までに決まるため、年中〜年長の春から逆算して動くと余裕を持てる
- 制度の詳細や実施方法は自治体により異なるため、必ずお住まいの市町村で確認を(2026年時点)
よくある質問
5歳児健診で引っかかったら、必ず病院を受診しなければいけませんか?
必ずしも受診が必要とは限りません。まずは保健センターの保健師や心理士との発達相談につながり、その結果を踏まえて医療機関の受診をすすめられる場合があります。受診するかどうかは保護者の意思で決められます。
5歳児健診の結果は小学校に伝わりますか?
健診結果が自動的に小学校へ送られる仕組みは一般的ではありません。ただし、就学相談や就学時健康診断の場で保護者から伝えることで、入学後の支援につなげやすくなります。取り扱いは自治体により異なるため、気になる場合は窓口で確認しましょう。
「経過観察」と言われた場合は何もしなくてよいのでしょうか?
経過観察は「様子を見ましょう」という意味ですが、受け身で待つ必要はありません。園での様子を担任に聞く、次の相談日を決めておく、気になる行動をメモしておくなど、次の相談につながる準備をしておくと安心です。
幼稚園・保育園には健診で指摘されたことを伝えるべきですか?
伝えることをおすすめします。園は子どもが集団で過ごす様子を最もよく知っており、加配や声かけの工夫など園内でできる配慮につながる場合があります。伝えるかどうかは保護者の判断ですが、情報を共有することで支援の選択肢は広がります。